特別対談 金子兄弟

カネジ塗料の次世代を担う金子兄弟。顧客から絶大なる信頼を受ける兄の久彦と、調色のプロフェッショナルとして兄も一目置くという弟の勝。そんな彼らが、塗料業界について大いに語り合いました。

金子 久彦(兄)金子 久彦(兄)

1972年生まれ。東海大学を卒業後、日本ペイント株式会社での経験をもとにカネジ塗料に入社。持ち前のバイタリティを活かし、営業担当として自社サービスを広くアピール。調色、リフォーム事業の拡大を目指している。趣味はサーフィン。朝焼け、夕焼けの空の色をこよなく愛する久彦の好きな色はオレンジである。

金子 勝(弟)金子 勝(弟)

1974年生まれ。高校を卒業後、18歳でカネジ塗料に入社。塗料を配送するかたわら、10代の繊細な感性を活かして調色技術者としての経験を積み重ねた。現在は兄とともに営業活動を続けながら会社の運営面でもその手腕を発揮している。趣味は兄と同じサーフィン。度々訪れているハワイの美しく青い海が好きな色だ。

塗料業界に入って20年以上が経った 塗料業界に入って20年以上が経った

久彦
カネジ塗料に入社したのは勝が先なんだよね。
高校までずっとバンド活動に打ち込んできて、じゃあ次は何に没頭しようかと考えたときに自然と。兄貴はまだ大学生で、いずれは親父のもとで働くからと日本ペイントに。
久彦
修業に出たんだよ。長男だからいずれは親父の後を継ぐことになるって、漠然とそう考えていたな。
最初は配送の仕事から入って、そのうち「お前も調色やってみないか」と伯父さん(※1)に誘われてね。90年代前半のあの頃はデジタル調色(※2)も始まっていない時代だったから、日々伯父さんの仕事を見ながら塗料の扱い方や色の配合を覚えていったんだ。

※1:勝が入社した当時、現代表の兄が調色職人として働いていた。
※2:コンピューター制御の計測調色システムを導入したのは1997年。

久彦
デジタル化されていない時代か。それこそ職人の勘が必要になってくる世界だからな。勝が調色に没頭している姿を見て、うらやましいと思った記憶もあるよ。
そのうち兄貴もカネジ塗料に入社して……兄弟でやるようになって20年も経つのか。

色の素晴らしさを提供するという使命 色の素晴らしさを提供するという使命

久彦
単なる塗料ではなく「色」を扱っている仕事と考えると、これは結構楽しい仕事なんじゃないかって最近思うんだ。
確かに。僕たちは建造物にペイントする塗料を扱っているけど、建物だけじゃなくて乗り物や、人間の周りにある花や木、空、海といった自然界にも色は存在しているからね。
久彦
初めて目にした物の形やサイズもそうだけど、やっぱり色って最初に大きく印象付けられるからね。俺たちは塗料という商品を提供する以前に「色」を提供している。そういう意識でいると、色の素晴らしさをもっと多くの方に知ってもらいたいなって思うんだ。日本では女性のほうがDIY人口が多いから、やっぱり女性目線の塗料を提案していくっていうのもこれからは必要だと思う。女性に刺さるというか、女性の感覚にフィットした塗料のニーズはこれからもっと高まるはず。
それは一理あると思う。営業先でも、自宅リフォームを考えているのは女性が7割くらいと感じるから。

業界の抱える課題とその突破口を模索 業界の抱える課題とその突破口を模索

久彦
ここ数年は、国内の塗料メーカーの総売上が年間約1兆円くらい。アメリカ視察のときに現地で聞いた話だと、アメリカでは1社の塗料メーカーだけで年間数兆円らしい。もちろん国土の大きさは日本とはだいぶ違うけど。
国内の大手塗料メーカーが中国やベトナム、インドなど建設バブルに沸くアジア圏への輸出に力を入れている。国内が頭打ちだから海外で利益を伸ばすというのは、当然の考えだろうね。それに最近は腐食を防止する加工法が浸透していきているから、腐食止め塗料のニーズが明らかに下がってきて。うちみたいな街の塗料店がどう生き残っていくかを考えるのも急務だと思うんだ。
久彦
もうひとつ、現地で気づかされたことがあるんだ。実はアメリカって、日本以上に古い建物を大切にする文化が根付いている。カリフォルニアで言えば、築百年以上の物件が街のあちこちにあって、ほとんどの住人は自分でリフォームして住んでいる。アメリカ映画なんかでよく古い家を購入してDIYするシーンを観たことあったけど、本当に多くの人たちが当たり前のようにDIYをしているんだ。
さすがDIY先進国だ。
やっぱりここ十数年ほど続いているDIYブームにうまく乗っていかないと。

ふたりで変えていきたい塗料業界の未来 ふたりで変えていきたい塗料業界の未来

久彦
ふたりとも40代になって、これからは俺らがカネジ塗料やこの業界を引っ張っていく時代になったのは確か。
その足掛かりとして兄貴が考えているのが自社ブランドの塗料だよな?
久彦
そう。塗料メーカーとコラボした、カネジ印のオリジナル塗料ね。まずは取引先様向けの商材として開発して、そのノウハウを活かして一般に向けたDIY用塗料だって展開できる。
そうなると“女性目線”だね。兄貴が言っていた「女性の感覚にフィットさせる」って本当に大事だと思う。
久彦
例えば部屋を模様替えしたいと思ってホームセンターに行くのは、意外と主婦が多いんだ。そこへうまく訴求できる商材をね。女性をターゲットとするならば、カラーバリエーションもあえて多めに。
街を見渡してみても、以前より建物の色が豊富になっている時代だし。うちの女性スタッフの意見も積極的に取り入れていこう。
久彦
そうやって俺らが発信したアイデアで業界を変えていければ本望だと思う。この歴史ある塗料業界で、どんどん新しい価値を生み出していきたいよ。
いずれ世代交代の時期も来るだろうし、兄弟でやるとなればネガティブに捉える人もいるかも知れない。だけど、兄貴と僕では性格も強みも異なるわけで、だからこそバランス良くやっていけると思う。
久彦
新しい商材やサービス、何より価値を提案していって、このカネジ塗料を盛り上げていかないとな。様々な課題はあるけど、ふたりでやっていけば怖いものはないと信じている。
俺たちは塗料という商品を提供する以前に「色」を提供している。そういう意識でいると、色の素晴らしさをもっと多くの方に知ってもらいたいなって思うんだ。 金子兄弟

俺たちは
塗料という商品を提供する以前に
「色」を提供している。
そういう意識でいると、色の素晴らしさをもっと多くの方に知ってもらいたいなって思うんだ。